PROFILE


芸術総監督・振付 中国国立中央歌舞団主演舞踏家
最優秀創作賞受賞 全日本振付コンクールグランプリ受賞
中国北京舞踏コンクール 創作一等賞受賞 特別貢献賞受賞


私はさらなる創作活動を行うために中国から来日し中国伝統舞踊に「気」の要素を取り入れた鳳仙功舞踊を創案しました。鳳仙功舞踊は従来のバレエや民族舞踊をベースにしながらもその芸術性やメソッドは独自のものであり、観る者に安らぎと生きる喜びを与える舞踊でもあります。その私の真意に共感してくれた大谷けい子さんとの出会いは最大の喜びであり、彼女の協力を得て鳳仙功舞踊は増々大きく成長することができました。舞踊の完成度も勿論のこと、日本における知名度も大変高くなり、今では日本の新しいジャンルの舞踊としての地位も確立されるようになりました。

鳳仙功舞踊は「生命の尊さ、素晴らしさ」を常に表現してきましたが、それだけでは人々の内面にまでは入っていけないような不安感をこのごろ覚えます。それだけ地球全体が弱くなっているし病んでいるのです。どうすれば天から与えられた命を伝えることができるのか、それをテーマとしています。自分が自然の一部であることなど考える余裕もなく、小さなことに不安を抱き心配ばかりしている人々。結局、真理がわからないからまよっているばかりいるのではないでしょうか。私は多くの人々に、もっと強く生きて欲しいのです。そのためには宇宙の真理を感じて欲しいし、その中で生かされていることに気づいて欲しいのです。そして、名もない草花小さな虫にもそれぞれに命の賛歌があることがわかれば、人は強く優しくなれるはずです。「強く生きて欲しい」このメッセージを舞台を通じ

世界の人々に伝えてゆきたいと思います。 クトについて簡潔に説明します。

気と舞踊の融合

中国には、三千年以上も前から長い歴史を経て伝えられてきた気功健康法があります。日本でも愛好家が多くなっている太極拳、あるいは古くから養生法の一つとして知られている導引術はその代表例です。これらはいづれも体育的な面と、医療的な面とが合わさった健康法で、その基本には以下の三つの重要な原則があります。

姿勢の調整をはかるための「調身」
意識の調整をはかるための「調心」
呼吸の調整をはかるための「調息」

  この三つの複合的な修練を重ねることによって、私たちが外からは見ることのできない身体内部の生理機能を調整し、体質を整えて、健康の維持や増進をはかることができるのです。「鳳仙功」の「鳳」を意味する中国古来の想像上の 霊鳥は、五色に彩られた大きな羽を持ち、鶴のような姿で天空高く舞い上がり人々に幸せをもたらすといわれてきました。その姿は、気品と美しさのシンボルとして特に女性の憧れの的となっています。「仙」とは、俗世間を離れて修業し、不老不死の域に達した仙人のことを指しますが、気高く美しいという意味でもあります。「鳳仙功」とは、気品に満ちた美しい幻の鳥のように、女性ならば誰でも潜在的に持っているしなやかな美しさと、体形・健康美を磨き上げ、心と体の調和を目指して新しい自分をつくりだすために創案した踊りです。 

三点一線点

骨盤に重心を感じながら、お尻と腰とお腹の重心を合わせます。そこから上に伸びる体の軸を意識すると、体の内部に「気」が通ります。気の通りが良くなれば、変に体の筋肉を緊張させることもなく、動きは柔らかく軽くなります。実は踊りの名手といわれる人はこの理論を体得しています。大鳳真陽はバレエと気から自分でこの理論を発見しました。そして後進の指導にあたるときも、この三点一線天のメソッドで教えます。生徒たちは初めからベストなバランスで踊ることができるため、上達は飛躍的となるのです。 

テーマは大自然

鳳仙功舞踊の大きなテーマは、大自然。それを表現するために、呼吸から自然に出てきた感覚をもとに振り付けをしています。また、女性の美しさを最大限に引き出すことも大切と考えています。

中国古典舞踊、クラシックバレエ、日本舞踊と様々な舞踊がありますが、踊りの本質は一つです。鳳仙功舞踊もその古典テクニックを使いながら、独自の踊りを創造しているのです。また、踊りに使用する音楽も、世界中の幅広いジャンルからどことなく気の流れを感じる曲を選んでいます。